私のフランスの歩き方

留学帰りの某トビタテ生しかちゃんの感じたフランスブログ

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はたらくフランス(2)履歴書を書こう

日本の就活。

先日3月1日から、2018年春に卒業予定の大学生・院生らの採用への会社説明会が解禁されました。

フランスには、日本のような組織立って行われる就職活動期間というものはありません。いずれにせよ良し悪しはあるのでしょうが、日本の就活はつくづく不思議に思います。

とはいえもちろん、フランスでも就職に向けての活動には「型」があります

 

 フランスで就職活動

就職活動に必要なもの

フランスでの履歴書にあたるCV(カリキュラム・ヴィタエの略、ラテン語)

志望動機書(Lettre de motivation、通称LM)

また書類選考後、採用面接(entretien d'embauche)があります。

 

フランスでは、バイトするにもインターンシップするにもこの一式が必要です。

内容は使い回しでも、応募するそれぞれの職種に合うように心がけます。

 

それでは、

フランスでの履歴書はどういうもの?

どうやって書くの?

今回特集します。

 

と、その前にちょっとコラム

今フランス留学中の皆さんにおすすめしたいサイトを見つけましたので、ちょこっとご紹介します。

 

・フランス留学経験者グローバルネットワーク FRANCE ALUMNI

https://www.francealumni.fr/fr

日本語版はこちら↓

https://www.francealumni.fr/ja/poste/japon/

その名の通り、フランス留学経験者と企業をつなぐ世界規模のネットワークです。

アカウントを登録すると、フランスに関わる仕事を探したり、イベントに参加したりできます。

そして今なら3月29日まで、ロンドンキャリアフォーラム(4月15・16日)のトラベルスカラシップに応募できます!(現フランス在住の学生に限る)

 

・在日フランス商工会議所

http://ccifj-emploi.mycvthequehq.com/index.php?module=candidat&action=gererDepotCv&langue=en

日本におけるフランス関係企業とのネットワークです。

国内でフランス語の知識を活用できる仕事、インターンシップを探す際に。

 

どちらのサイトにも、自己紹介を登録するページに「CVをアップロードする」といった文言があります。

CV、それこそがフランスにおける履歴書です。

(フランス語では、「シーヴイ」ではなく「セーヴェー」と読みます)

では、どういうものか見ていきましょう。

形式

経歴の書き方によって3種類あります。

1. 時系列

・クラシックな形式

・一番古い経歴から始める

・昇格していくプロセスを強調

 

2. 反時系列

・最近の経歴から書き始める

・転職や方向性の変換に強調

 

3. 能力(compétences・コンペタンス)

・最初の項目に自分の特性

・次の項目には経歴

・失業期などキャリアに穴がある場合に効果的

 

ちなみに、デフォルトの用紙はありません

各々自分のタイプにあった形式を選び、項目を立てて書いていきます。

 

項目

CVの「型」として、以下5つの項目を必ず盛り込みます。

・タイトル:ポストの名称

・プロフィール、連絡先(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日)

・学歴

・職歴

・その他(趣味、好きなスポーツなど1つ2つ)

 

実は、顔写真は必ずしも付けなければいけないわけではありません。

ちなみに中国人の友人は、もし同じような経歴で甲乙つけがたい場合、顔で選ばれるんだとサラッとした口調で教えてくれましたが、フランスでの事情はちょっと違います。

フランスでは、採用する際に人種差別が起きるのを避けるために顔写真を必須にしていません

極端な例でいうと、わざと匿名にして選ぶ企業もあるらしいです。どうしても、ムハンマドだったりアリだったりイスラム系アラブ人の名前を見ると、同じくらいの経歴ならヨーロッパ人を、となってしまうことがある、とのこと。

一番は人種差別的なものの見方を持たないこと、なのでしょうが、やっぱりそんな見方はなかなか変えられない、だからそれを避けて能力で雇おうと匿名で選考するという現状に、現実を見ました。

 

書くときのポイント

履歴書がリクルーターに読まれるのは、30秒間!

なので簡潔で印象に残るように書くことが求められます。

・1枚に収める

・見た目に気を遣う(文字色やフォントに工夫※1)

・顔写真はプロフェッショナルに

・ポストのタイトルを明記

・参照元を明記(URLや元上司のメールアドレスなど※2)

・データ、数値

 

※1 文字色は2色まで。本文は黒でその他を青や緑など落ち着いた色合いで、濃淡の2色にまとめるのが常識的だとか。

ただしデザイナーなどの職種の場合、履歴書のデザインを凝るのは当たり前。

※2 自分が担当したことのあるプロジェクトなどを書く際に、リクルーターが参照できるものを明記しておくのがマナー。彼らが本当に確認するかは置いておいて、お墨付きが得られるようにしておきます。

 

そうはいってもやらかしてしまう凡ミス、どうすれば完璧になるの?

レンヌ第2大学のホームページに、面白いコンテンツがあります。

題して「マリーのCV批判」。彼女のCVをどこがよろしくないのか説明しつつ手直しをする動画です。

 

初めの「悪い例」

f:id:shikachan-en-france:20170306073222p:plain

 

手直しして立派になった「良い例」

f:id:shikachan-en-france:20170306073228p:plain

 

写真は動画のスクリーンショット

どこがどう変わったか、お気づきになりましたか?

細かいところから言うと、まず内容の分類から直されています。

正しい項目に振り分けた後は、その項目の並び替え。そして年月日と内容の余白を揃えると、もうだいぶスッキリしました。

 

フランス語の聞き取りにもどうぞ。↓

Critique du CV de Marie | TREK

 

まとめ

最後に、フランスで就職する際にすることをまとめてみます

CVとLMを準備する必要がある

(LMについては次回「はたらくフランス」シリーズで取り上げます!)

CVには用紙がなく、自ら自分にあった形式を選び、項目を立てる必要がある

CVは見た目も気にしつつ簡潔にまとめる

 

大学3年生=就活生というような考え方のないフランスでも、抑えておくべき形があります。

やはり、就職するには、多少なりとも「型」をわきまえることが必要になるのですね。

 

 

 

 

 

 

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