はたらくフランス(3)ブラックインターンにはお気をつけを
今回は、フランスのインターンシップについて。
先日インターンの面接を受けたばかりの我が「フランス人学生代表」の彼にインタビューして得た旬な情報をまとめてみようと思います。
- フランスでのインターンの位置づけ
- いつ?どこで?どのように?
- ブラックインターンに気をつけて!
の3本立てです。
フランスでのインターンの位置づけ
日本でも、就活にはインターンを経ることを推奨されています。「就活」のないフランスではどういうスタンスなのでしょうか?
日本と(少なくともうちの大学と)共通する点
- 一般的に大学在学中に行う
日本とは(少なくともうちの大学とは)異なる点
- 卒業要件に必須
- 単位認定なし
- CV、LMなど一式揃える(エントリーシートはない)
- 「就職支援室」からの情報配信などもなし
「支援室」といった大学からのサポートはあてにならないので、自らネットを駆使して求人情報を見つけたり、求人がなくても直談判したりするみたいです。
CVについては、前回の記事でおさらいしてみてください!
shikachan-en-france.hatenablog.com
実は大学生がインターンをするのは当たり前のことです。
いつ?どこで?どのように?
インターンシップを行うタイミングとしては、
- 学士課程3年間のうち1回 : 2年次
- 修士課程2年間のうち2回 : 1、2年次 (毎年)
だそう。
フランスの大学は9月から始まり5月に終わります。この4ヶ月の夏休み中に働きます。
(ちなみに、小中高では9月始まりで、夏休みは7、8月の2ヶ月間です。バカンス開始日程は地域によって異なります。)
期間としては、最低3ヶ月がスタンダード。日本では「長期インターン」の括りですね。
夏休み中とはいえ、早めに授業が終わって、4月から働き出したり6ヶ月間したりすることも。
そんな長期に渡るフランスのインターンの他の特徴は、
- 交通費なし、会社の近くに部屋借りる
- 部屋の手配は自分でやる
- 国内外問わずどこでも
最後のはヨーロッパ市民ならではですね。
しかし、それによって思わぬ罠に引っかかることも…
ブラックインターンに気をつけて!
こんな事例を教えてくれました。
求人情報には
「フランスで働けます」
とあったのに、後日
「実はフランス事務所のポストに空きがないので、ドイツでできますか?」
と言われる、という事例。
さすがヨーロッパ、国境またいで働くのが普通なんだなぁ、と思って聞いていたら、ある落とし穴が。
というのも、これが有給のインターンの場合、労働力搾取になる、というのです。
フランスでインターンするのと同じ内容をフランスではなくドイツで、ということは、ドイツの最低賃金にのっとって、フランスより月200ユーロの差があるほど安く支払われるからです。
騙された…!これがブラックインターンか…!
他の事例としては、能力を図るためとして何度も何度もタスクを送ってくるなど。
これってインターンの内容じゃないの?いつ受け入れ可能の結果がもらえるの?
これは彼の経験談で、有給の翻訳の仕事だったそうですが、合否の連絡もなくひたすら無給で次から次へ翻訳させられる、おかしい、となって断ったそうです。
相談に乗った教授も、それはおかしい、と立派なブラックインターン認定ですね。
きっぱり断ること、大事です!
まとめ
フランスでのインターンは、大学在学中に必須のこと。
でもその内容は、日本のように、就職する前に社会を知れる経験をさせてもらえること。
とはいえ、働くことは働くこと。搾取は認められない。
インターン生でも自分の労働力を正当に評価されることは大切、ブラックインターンにはお気をつけを!
補足
フランスでのインターンに欠かせない他の要素を欠いていました。。。
情報を提供していただいたので、補足としてご紹介させていただきます。
convention de stage(コンヴェンション・ドゥ・スタージュ)という、インターン協定書と損害賠償保険です。
インターンシップを行う際に必須となるこのアイテム、学校などの就職活動に関する事務所で発行することができます。
これによって活動期間や仕事内容、事故の際の保険などについて協定を結びます。
参考記事
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