はたらくフランス(1)フランス人はプレミアムフライデーなんていらない
はじめに
「仕事に貴賎はない」とは、うちの大学でフランスの企業社会に関する授業を受け持つ教授、マダム・ドゥ・スタンパ。
スーパーのレジ打ちを例に挙げ、あの右から流れてくる商品をピッとして左に流す作業はかなり身体にくる、とけっこう大変な仕事なんだと話しておられました。
フランスのレジのおばさん・お姉さんは座ってやってるのに(!)、日本の立ってレジ打ちされる方々はなんて重労働をなさっているんだろうか、と衝撃でした。
こんにちは。お仕事お疲れ様です。
フランスで年に2回行われるバーゲン「solde・ソルド」(法律で定められている)を逃しそうな、購買意欲のないしかちゃんです。きっと、お仕事して自分で稼いだお金を手にしたら、買い物したくなるんだろうな。
さて、仕事といえば。
日本のホットな話題、「プレミアムフライデー」導入が気になるところ。
そして、フランスではどうなのでしょう?
・働き方
・就職方法
これから何回かにわたりシリーズで取り上げてみます。
日本のプレミアムフライデー
先の金曜から始まった日本の「プレミアムフライデー」とは、ざっくりまとめると、月末金曜は早めの仕事終わりを目指す官民一体の制度だそうです。(なぜ英語...?)
その実態は?
サラリーマンの父の職場では、「プレ金、全くなし(`д´)」(おこだ)
フルタイムでサービス業に従事する母は、「導入は、まず無理でしょうねえ。「早帰り日」として、今んところは「ノー残業デー」にするくらいかなあ~😅」とのこと。(おっと。残業がデフォなんですね...)
フランスでの働き方
日本と同様、仕事は基本的に土曜日曜お休み。
しかし、サービス・小売業は月曜休業もしくは午前休!
例えば、買い物しようにも服屋はやってないし本屋は14時からだし、スーパーくらいしか開いてない(※大型スーパーは月曜から土曜)。
サービス・小売業は土曜もやっているので、開店は火曜から土曜として、週休2日を確保しています。
昼休みも長め。12時〜14時くらい。写真はボルドーのとあるカフェ。店名が「Le café français(フランス(人)のカフェ)」だなんて、まんますぎる。ひと休み。
日本の快適な営業時間に慣れきってしまった私からすれば、ちょっとおでかけしたい日曜なのに空いてないとか、そろそろ閉店だからって客いるのにモップのついたゴルフ場のカートみたいな乗り物で掃除始める(大型スーパー)とか、なんだかなぁと思ってしまうのですが、、、
こちらでは当たり前のことなので、フランス人は不便に感じていないみたい。
(ただし日本に留学経験のあるフランス人の彼は、この店の状況に対しことあるごとに「日本に戻りたい…」と言っております。気の毒に。)
でもまぁ住めば都、適応できればそれまでのことです。
まとめ
そんな月末金曜当日、東京では石原経済財政・再生相はお買い物で、加藤働き方改革相は百貨店の買い物客を視察だったそう。
居酒屋が賑わったり、デパートでセールなどのイベントが活発に行われたり。そういう視点から見れば確かに経済への起爆剤となるでしょう。
しかしこれでは、早く仕事を切り上げた人が行く先となる飲食店やデパートといったサービス・小売業で、プレミアムフライデーを健全な働き方改革として享受できるはずはありません。
ホワイトカラーサラリーマンの財布の紐を緩ませることが第1目標である限り、「働き方改革」にとってはきっかけにすぎない。サービス・小売業の働き方・休み方を考える一歩になるか、注視したいところです。
ところで、フランスでは、駅前のショッピングモールも20時そこらで閉まってしまうので、夜はバーの集まる通り以外は寂しいもの。早く家に帰ろうという気になります。
さすがコンビニなんてないフランス、多少無理しても開けるという発想は持ち合わせていないようですね。でも、働く側から考えると、ありがたいことだと思います。
おわりに
ちなみに、、、「フランスと日本、働くならどっち?」と聞かれたことがあります。
営業時間だけでなく、バカンスや育児休暇の制度も整うフランス、私は「制度はフランスがいいけど、一緒に働くのは日本人がいいかな」と答えるようにしています。なんつって。
参考記事